眼精疲労

眼精疲労は「目だけではなく身体の不調をともなう」「十分な休息をとっても症状が改善しない」の2つを満たした状態を指します。

●目の仕組み

眼精疲労を理解するために、まずは目の仕組みを知っておきましょう。
目はカメラの構造に例えることができます。

・角膜（フィルター）
・虹彩（絞り）
・水晶体（レンズ）
・ガラス体（カメラ内部）
・網膜（フィルム）

角膜から入った光は水晶体、ガラス体を通過したのちに網膜で像を結び、視神経により脳へと視覚情報が伝達される仕組みになっています。
網膜に映る像は、水晶体が厚みを変えることでピントが調整されています。

●目の疲れとは

水晶体の厚みを変える「毛様体筋」が疲労し、過度に緊張した状態を「目の疲れ」と呼んでいます。
近くのものにピントを合わせつづけることで、毛様体筋はこわばってしまいます。

●疲れ目と眼精疲労の違い

疲れ目は、かすみ目や充血など目の症状がみられますが、休憩や睡眠をとれば改善します。
また疲れ目では、身体の不調は特に生じません。

一方の眼精疲労は、十分な休息や睡眠をとっても症状が回復せず、目の症状に加えて頭痛や肩こり、吐き気といった身体の不調をともなう状態になります。
眼精疲労は自律神経が乱れているため、放置していると全身症状を深刻化させる可能性があります。

●原因

・長時間のパソコン、スマホの操作

パソコンやスマホの画面など、近くのものにピントをあわせ続けることで毛様体筋が強くこわばってしまいます。

・目の病気

白内障や緑内障といった目の病気からものが見えづらくなり、眼精疲労につながる場合があります。

・メガネ、コンタクトの影響

メガネやコンタクトがあっていないと、目への負担になってしまいます。

・ストレス

仕事や人間関係などでストレスがたまると、交感神経が優位に働こうとします。
しかし、ピントを調整している毛様体筋は、副交感神経の働きで収縮します。
「近くのものをみる⇨副交感神経」「ストレス⇨交感神経」のアンアランスな状態が毛様体筋への負担となり、眼精疲労を悪化させる場合があります。

●症状

眼精疲労にみられる目の症状は次の通りです。

・視界がぼやける
・目がしょぼしょぼする
・まぶしい
・目が充血する
・目が乾燥する
・涙が出る

などです。

また、眼精疲労は自律神経の乱れをともなうため、頭痛や肩こり、吐き気、不眠、倦怠感といった身体的不調も生じてしまいます。

白内障や緑内障をはじめ、近視や乱視、老眼などをそのまま放置していると、眼精疲労を進行させる可能性があります。
眼精疲労が生じた際には、何か病気がないか医療機関で検査を受けてみましょう。
目の病気を治療することにより、眼精疲労の改善が期待できます。
もし目や身体に何も問題がなければ、接骨院の施術にて症状の改善・予防を目指すことができます。

眼精疲労に対して、当院では次のような施術を行います。

●カウンセリング

カウンセリングで身体の状態を確認し、施術方針を決定します。
自覚症状も判断材料になるため、気になる点がありましたら何でもご相談ください。

●鍼灸

鍼やお灸によって経穴（ツボ）を刺激していく施術です。
首や肩、目のまわりには眼精疲労に効くツボが多数存在します。

また、全身の緊張をゆるめて、自律神経のバランスを調整する作用も鍼灸には期待できます。

●トムソン

トムソンベッドと呼ばれる特殊なベッドを用いた矯正になります。
頭・胸・腰・骨盤部分で台が独立しており「台を上にあげる⇨上から押して台を下に落とす」際に生じる衝撃で関節を矯正していきます。
骨格のゆがみを改善することで、自律神経へのストレスも緩和できます。

●ゼロ整体

全身のゆがみを手技で調整していく施術です。
バランスの崩れを修正することで、筋肉や関節にかかる負担を軽減します。

●日常生活のアドバイス

ストレッチの方法や日常生活で注意するポイントなど、患者様の状態にあわせたアドバイスを行います。
施術とセルフケアをあわせて行うことで、症状の早期改善を期待できます。

眼精疲労の改善には、およそ3〜6ヶ月ほどかかります。

数回の施術でも「視界が明るくなった」「目がすっきりした」と効果を実感できると思います。
しかし、身体のゆがみや自律神経の乱れなど、体質から変えていくには継続した施術が必要です。

年齢や生活習慣などにより、施術期間には個人差があります。
放置するほど症状が悪化しやすくなるため、目の疲れが気になる方は、できるだけ早めにご相談ください。

目の疲れや身体の不調にお悩みの方は、次の対処を行ってみてください。

●目を温める

蒸しタオルを乗せて、目のまわりを温めましょう。
温めることで血行が回復し、毛様体筋の緊張もほぐれていきます。
濡れたタオルを固く絞り、40秒ほどレンジで温めると蒸しタオルが簡単に作れます。

●目のストレッチを行う

上下・左右・斜めと、眼球をいけるところまで動かしてストレッチしましょう。
力が入っていると余計に目が疲れてしまうため、リラックスした状態で行うようにしてください。

●遠くをみつめる

遠くのものにピントを合わせることで、毛様体筋をゆるめられます。
室内でも構いませんが、なるべく外の遠く離れた箇所を眺めるようにしましょう。

●セルフマッサージ

硬い棒状のもの（ボールペンの裏など）を使って、首の後ろ部分をほぐしましょう。
特に後頭部の髪の生え際あたりには、眼精疲労に効くツボが多数あります。
押してみてツンとくる箇所を長めに押圧してみてください。
※筋肉を痛めるためやりすぎないようにしてください。

眼精疲労を生じやすい方は、メンテナンスも継続して行っておきましょう。

●作業環境を整える

目が疲れやすい方は、室内の明るさを見直してみてください。
明るすぎたり、暗すぎたりする部屋では目が疲れやすくなります。

また、手を伸ばした距離（40cm）ほどパソコン画面から目が離れるよう、机や椅子の高さを調整しましょう。

●目の乾燥対策を行う

仕事や勉強などに集中しているときも、意識的にまばたきをするようにしてください。
また「目薬をさす」「エアコンの風には直接当たらない」といった対策も挙げられます。

●小休憩をとる

近くの画面を見続けていると、毛様体筋が緊張してしまいます。
意識的に画面から目を離し、目をつむったり、遠くを眺めたりして目を休ませるようにしてください。

●ブルーライトカット

パソコンやスマホから発せられているブルーライトは、刺激の強い光になります。
特にデスクワークをされている方は「画面を暗めに設定する」「ブルーライトカットのメガネをかける」など対策をしておきましょう。