頭痛

●一次性頭痛と二次性頭痛

頭痛は大きく分けて「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2つの種類に分けられます。
一次性頭痛は、医療機関の検査で特に異常がみつからない頭痛のことです。
痛みが長期間継続するため「慢性頭痛」とも呼ばれています。

一方の二次性頭痛は、医療機関で原因が特定できる頭痛を指します。
原因となる病気には、脳出血や脳梗塞、脳炎、脳腫瘍などがおもに挙げられます。

●一次性頭痛（慢性頭痛）の種類

慢性的に続く頭痛は、さらに片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の3つの種類に分けられます。

・片頭痛

こめかみがズキズキと痛む頭痛になります。
痛みは強めで、吐き気や嘔吐などをともなう場合があります。

・緊張型頭痛

頭が締め付けられるように痛む頭痛になります。
痛みは軽度から中等度で、日常生活に支障が出るほどの痛みにはなりません。

・群発頭痛

目のまわりに激痛が走る頭痛になります。
痛みは非常に強く、毎日決まった時間帯に症状が出ることが特徴です。

一次性頭痛の症状や原因は、下記にて詳しくご紹介していきます。

頭痛の種類によって、対処・予防法が異なります。
まずは自身がどの頭痛に当てはまるのか、こちらでご確認ください。

●片頭痛

若い女性に起こりやすい頭痛です。
割合は少なくなっていますが、男性にみられる場合もあります。
月に1.2回、多い方では週に1回以上の頻度で発症し、痛みは4〜72時間ほど持続するといわれています。

・原因

なぜ片頭痛が起こるのか、その仕組みは明らかになっていません。
しかし、何らかの原因で脳の血管が拡張し、周辺の神経を刺激することで痛みが起こると考えられています。

日常生活では「環境の変化によるストレス」「寝不足・寝すぎ」「赤ワインやチーズ、チョコレートなど飲み物・食べ物の影響」「女性ホルモンの変化」などが片頭痛と関連する項目に挙げられます。

・症状

心臓の鼓動にあわせて、片側のこめかみがズキズキと痛むことが特徴です。
頭を動かす（下を向く）と痛みが悪化しやすく、血管が拡張する前の前兆症状（閃輝暗点：視界の一部に光が出現する症状）がみられる場合もあります。

また痛みが起きている時期は、光や音、匂いなどの刺激に敏感になります。

●緊張型頭痛

働き盛り（20〜40代あたり）の女性に多いといわれている頭痛です。
慢性頭痛の中でもっとも発症数が多く、病気が原因でない場合は緊張型頭痛がまず疑われます。
痛みの持続時間は、数十分から数日間といわれています。

・原因

首筋から肩まわりにかけての筋緊張がおもな原因と考えられています。
日常生活では「不良姿勢（猫背・ストレートネック）」「長時間の同一姿勢」「眼精疲労」「心身ストレス」などがあると、緊張が強まりやすくなっています。

・症状

頭全体がベルトで締め付けられるように痛むことが特徴です。
首筋から後頭部にかけて、重だるさを感じる場合もあります。
痛みは軽めの場合が多く、片頭痛のようにズキズキと痛んだり、光や音など刺激に敏感になったりすることはありません。

●群発頭痛

若い男性に発症しやすい頭痛です。
片頭痛や緊張型頭痛と比べて患者数自体は多くありません。

1〜3ヶ月ほど痛みが起きやすい時期が続きます。
激しい痛みをともないますが、30分〜1時間と比較的短時間で痛みは消失するといわれています。

・原因

群発頭痛がなぜ起こるのか、その仕組みは明らかになっていません。
しかし「お酒の飲みすぎ」「喫煙」「生活リズムの乱れ」などが、群発頭痛のおもな引き金として考えられています。

・症状

片側のこめかみや目のまわりに生じる激しい痛みが特徴です。
痛みが起きているときは、鼻水や鼻づまり、涙、顔のほてりなどをともなう場合もあります。

およそ1〜3ヶ月ほどつづく「群発期」には、毎日決まった時間帯（夜間〜朝方）に痛みが生じます。
しかし、群発期以外の時期には、基本的に頭痛は起こりません。

脳出血や脳梗塞、髄膜炎など脳の病気から頭痛が生じている場合があります。
脳の病気は、命にもかかわります。
次のような症状がみられる際は速やかに医療機関に行き、適切な処置を受けるようにしてください。

・経験したことのない激しい頭痛
・意識障害
・言語障害
・身体の麻痺
・発熱

などです。

慢性的な頭痛に対して、当院では次のような施術を行っていきます。

●カウンセリング

カウンセリングや検査（緊張型頭痛の場合は頚椎の可動域チェック）で頭痛の原因を確認し、施術方法を決定します。
自覚症状も参考になるため、気になる点がありましたら何なりとご相談ください。

●手技・鍼灸

基本的には「トムソン⇨ゼロ整体⇨鍼灸」の流れで施術を進めていきます。

・トムソン

トムソンベッドと呼ばれる特殊なベッドを用いた矯正になります。
頭・胸・腰・骨盤部分で台が独立しており「台を上にあげる⇨上から押して台を下に落とす」際に生じる衝撃で関節を矯正していきます。

・ゼロ整体

全身のゆがみを手技で調整していく施術になります。
バランスの崩れを整えることで、筋肉や関節にかかる負担を軽減します。

・鍼灸

鍼を刺したり、お灸の熱を加えたりしてツボを刺激する施術になります。
鍼灸には鎮痛作用や自律神経のバランスを調整する作用などを期待できます。

●電気療法

頭痛に対しては、高圧電気を流せる「ハイボルト」や、3方向から立体的な電気のうねりを作り出せる「立体動態波」を使用します。
両者とも、手技では届かない身体の深部を刺激できることが特徴です。

呼吸器関係が弱い方には、ツボや肩甲骨まわりの筋肉をハイボルトで刺激して、呼吸しやすい状態を作ります。

また、片頭痛であれば「ハイボルト→立体動態波」の流れで施術を行い、症状の改善を目指していきます。

慢性頭痛の改善には、およそ3ヶ月ほどかかるとお考えください。
数度の施術でも、痛みの軽減を実感できると思います。
しかし、不良姿勢や呼吸方法など体質から改善するためには、施術を継続することが必要です。

症状や原因により個人差がありますので、頭痛が気になる方は一度当院にご相談ください。

群発頭痛は接骨院や個人での対応がむずかしいため、医療機関に行くようにしてください。
片頭痛・緊張型頭痛であれば、次のような対処で症状の改善を目指すことができます。

●片頭痛

・身体への刺激を減らす

痛みが起きている時期は、安静を心がけてください。
頭を動かすと痛みが悪化する場合があります。
また「暗くて静かな部屋で休む」「サングラスをかける」「工事中や人が多い場所には行かない」など、光や音などの刺激もできるだけ避けるようにしましょう。

・頭痛薬を服用する

血管を収縮させる薬を服用することで、片頭痛の改善が期待できます。
痛みがストレスとなり、症状をより悪化させる可能性があります。
我慢しすぎず、薬に頼ることも必要です。

・胸郭を広げる

ストレッチで胸郭を広げることにより、ストレスの軽減や首・肩まわりの緊張緩和を目指せます。

「椅子に座り両腕を後ろに引いていく」
「ストレッチポールの上に仰向けに寝る」
などして、胸を広げるようなストレッチを行いましょう。

こちらのストレッチは、緊張型頭痛の方にも有効とされています。

●緊張型頭痛

・首や目のまわりを温める

蒸しタオルやホットパック、ホッカイロなどを当てて、首や肩のまわりを温めましょう。
温めることで筋肉の緊張がやわらぎ、頭部への血流が回復します。

また、蒸しタオルで目のまわりを温めることも、頭痛の緩和に有効です。

・セルフマッサージを行う

こめかみや頭部をセルフマッサージで優しくほぐしてください。
特に後頭部（首の付け根）や頭頂部には、頭痛に効果的なツボがあります。
押してみて痛気持ちいい箇所を、重点的に刺激しましょう。